2011年発表の好きなアルバム50枚

 rank / artist / album / country


 50. my dad vs. yours / little symphonies / CA

 49. the mountaineering club orchestra / a start on such a night is full of promise / UK

 48. polyester embassy / fake/faker / ID

 47. entertainment for the braindead / berlin kitchen sessions / DE

 46. rem's floating chandelier / s/t / US

 45. two bicycles / the ocean, window / CA

 44. glass america / darkly / US

 43. efrim manuel menuck / plays 'high gospel' / CA

 42. across waters / more light is never ending / US

 41. neat beats / cosmic surgery / US

 40. jeniferever / silesia / SE

 39. blueneck / repetitions / UK

 38. i spell it nature / a story of... / CA

 37. circadian eyes / who we were / US

 36. snowmobile / empty rooms / UK

 35. nihiling / egophagus / DE

 34. le_mol / songs for my milliner / AT

 33. kontakte / we move through negative spaces / UK

 32. emphemetry / a lullaby hum for tired streets / UK

 31. overhead, the albatross / lads with sticks, mr. dog / IE

 30. farewell poetry / hoping for the invisible to ignite / FR

 29. natural snow buildings / waves of the random sea / FR

 twin sister moonの片割れ



 28. 3epkano / hans the reluctant wolf juggler / IE

 27. the end of the ocean / pacific•atlantic / US

 26. avalon / mountains into sand / IS

 なぜかアイスランドで生まれたmonoチルドレン



 25. klimt / agape / PL

 24. gates / the sun will rise and lead me home / CA

 自主出版のCDを買ったりすると度々メッセージカードが封入されていたりするのだけれど 不思議とみんな字が下手



 23. 翳 / musikera, onico / JP

 22. 36 / cocoon / saphron, reunion / deluge / UK

 21. 417.3 / _(-_-)_ / RU

 20. while giants sleep / while giants sleep e.p. / SE

 19. this will destroy you / tunnel blanket / US

 18. howard james kenny / shelter songs / UK

 17. hunt / ashes of a secret heart / SE

 16. bvdub & ian hawgood / the truth hurts / UK

 15. grouper / A I A, water people / moving machine / US

 需要と供給のバランスが崩れている音楽家の一人 だいたい気がついたら売り切れている



 14. final days society / ours is not a caravan of despair / SE

 13. tim hecker / ravedeath, 1972 / CA

 個人的にこの人のアルバムは外れがない



 12. the farewell monument / harm's way e.p. / US

 11. evan abeele / lineage e.p. / CA

 memory houseの片割れ



 10. imst / north frontenac / CA

 9. we invented the night / memories of a bloody love affair / DK

 8. sanzuno riverside / demo / JP

 翳さんのバンド すごく期待してます



 7. other mountains / fernweh / US

 6. every silver lining has a cloud / s/t / FR

 発表は2010年だけれど聴き逃していたので



 5. immanu el / in passage / SE

 以下はものすごく個人的な感想ですが と前置きして
 in passage発売前 iPhoneから聴いている音楽を適当にtwitterへ書き込むというアプリを試していて その中にたまたまimmanu elの音楽があったのだけれど それを見かけたのか彼等本人から「僕等もうすぐアルバム出すよ チェックしててね」というメッセージをもらった ジャケットからも感じられることで おそらくimmanu elは自身の音楽が変化しているということを解っていて それをとても肯定的に受け入れている 1stでたくさんの人を惹きつけたある種の神性は薄れているかもしれないけれど 大地に深く根ざした彼等の音楽が 今また新しい場所へ向かおうとしている こんなに楽しみで素敵なことって他にないよ
 LPと一緒にmp3のダウンロードコードがついてきたのだけれども CDも一緒に買っていたからimmanu elと同じような健やかな強さを持っている知り合いにあげました



 4. years of rice and salt / nothing of cities / UK

「僕こんなことやるので投資してください こんなお礼しますよ」という海外のサービスがあって そこで$3,083もの金額を集めfuturerecordingsからCD/LPが発売されたという経緯のあるアルバムで 僕もたった$30だけですがお手伝いして そのお礼にCDとTシャツをもらいました



 3. the files & fires / for people talk lightly... / US

 過小評価されているとか以前にあまりにも知られていないようだけどすごく好きだ



 2. between days / all the water; it flows out to sea / US

 iosebを発見した時のような衝撃



 1. industries of the blind / chapter 1: had we known better / US

 このアルバムを知ったのはちょうど地震のあった前日あたりで 渋滞で全く進まない車の横を歩いている最中はずっとこのアルバムを聴いていた 翌週運転している路線を見つけて会社へ向かった時も 地元へ着く電車が運休で21時過ぎまで会社で一人きりだったあいだも 23時を過ぎてなお満員だった車内でも とにかくずっと そんなこともあって強く印象に残っているけれど きっとそうでなくともこのアルバムは僕にとって2011年でもっとも素晴らしいものであったと思う



 immanu elのアジアツアー まだ日本は入ってないそうです レーベルとかイベンター紹介してよと言われたけれどそんな伝手あるわけないよね 200〜300万あってライブハウス借りられれば個人でも呼べるのかな? まぁ金もないけど

OTHER MOUNTAINS / Fernweh

 なぜか注文したCDが2枚送られてきたので Matthew Parker OdenとMarc Christopher Kohlbryの2人からなるアメリカのバンド OTHER MOUNTAINSの未開封CDを1名にプレゼントします 視聴はオフィシャルから CDは500枚限定品でナンバリングは157 発送はメール便か 平日夕方に新宿近辺へいらっしゃる方なら直接でも良いです


 sheepsleepsleep(at)gmail.comまでどうぞ


  • CD$10 送料$13.9だったので値段が2枚分以上になるから送り間違えたのか はたまたサービスなのかは解らないけれど 良いCDを無意味に2枚持っているのはもったいないから

東京

 東京へ来るというMさんに声を掛けられた 彼女は岐阜に住む音楽好きの大学生で 少し前にふとしたことで電話をした時に 最近はアンビエントを聴いていると言っていたから なぜか2枚持っていたrafael anton irisarriのアルバムをあげると言ったらとても喜んでいたが 実際に会ってCDを渡すと反応は薄かった


 新宿三丁目の地下でお久し振りですと挨拶をして そういえば数年前にもこんなことがあったと思い出す もう5年近くも新宿に勤めているというのに僕は相変わらず街のことを何も知らず かといって前回のように喫茶店を探して新宿を当てもなく歩いたりはしたくなかったので 階段を上がってすぐ目についたスターバックスに入ろうとMさんに言ったが 煙草を吸えた方が良いというので 適当に歩いた先でたまたま見つけたドトールに入った 僕はコーヒーを 彼女はオレンジジュースを注文して店内奥の喫煙席へ向かった 喫煙席に一人で座っている人は身体を大きく見せるようにゆったりと座っている人が多い その傍で僕等は音楽の話をして Mさんのぐうたらとした学生らしい生活の話をして 生まれて一年半になる子供の話をする Mさんがくれたマーブルチョコを食べながら彼女の雑多なバッグから出てきたiPodを見せてもらい 代わりにiPhoneを渡す 僕のiPhoneを弄る彼女の指先が震えていて 冷房が効き過ぎて寒いですねと言うと 緊張しているんですと笑った


「jenifereverの新作いまいちでしたよね? ジャケットもなんか変だったし」


 寒さに耐えきれなくなったところで店を出て Mさんが体調を崩しそうだったということもあり どこか座れるところへ行こうと ――どうして僕はこんなところしか思いつかなかったのか――新宿アルコットのジュンク堂へ入った 空いていた堅い木の椅子に二人で座り 彼女は神聖かまってちゃんのインタビューが掲載された雑誌を 僕は長嶋有の単行本を手にまた少し話をする



 バイト先に現れてはMさんをナンパする40代のおっさんの話


「バイト先で男の人にいつも話しかけられて おっさんなんですけど」


「うん」


「毎日バイト先に来て 今日も可愛いですねとか言われるんですけど このあいだ連絡先を訊かれて 教えたくなかったんでごまかしてたら どうして教えてくれないんですかって言うんです」


「すごいパワーだなぁ」


「で じゃあ僕が教えるんで って連絡先もらったんですけど そのまま放置してます」



 浜辺でライブをしていた男性に声を掛けられた話


「浜辺でやってたライブを後ろの方で聴いてたんですけど ライブが終わったあとにバンドの人に声掛けられたんです ちゃんと聴いてくれてる感じがしたって」


「うん」


「連絡先訊かれたんで交換して このあいだメールが来たんですけどメルマガみたいなメールだったんで返信してないんです 友達と相談したんですけど 返信しなくて良いんじゃない? って」



 諦めたような口振りの所為か どちらも言い寄ってくる男の人に良い印象を抱けなかった Mさんは昔好きだった男性の話をしていて 僕はその声を聞きながら手元の小説を読み 本のページを撫でていた 目の前はすぐエスカレーターで 乗降口のそばにある特設コーナーでは黄色っぽい英会話教材の営業をしている壮年の男性が度々立ち止まる人を捕まえては 教材の魅力や優れている点を話している 眼鏡を掛けた若い会社員の次はOL風のスーツを着た女性 彼は少し手が空くと 狭い一人掛けの椅子に二人で座っている僕等を見ていた
 以前Mさんから受けた身動きの取れないような閉塞感は少しだけ和らいでいたが 話す内容は以前と同じく指向性のないものが多く 相変わらずどこかへ向かうような一面を見せない子だなと 誰かが耳打ちでもしたように不意に思ってしまう 長嶋有の単行本を買い 閉店時間の近づいたジュンク堂を出て 丸ノ内線の改札前で「ありがとうございます」とお互い言って別れ ヘッドフォンに手を掛ける


「ずっと同じ人が好きだったんです 私」


 そう言っていた彼女にも 今は別に気になる人がいるらしい 歓迎される変化であるかどうかは別として 毎日相対する客がくるくると回るように 人は日々変わっているのかもしれない あらゆる物事はその前後をつなぎながら現在進行形で移ろっている 二重螺旋を描くように流れる生命の その先頭に今 彼女や僕の子供がいる